ショレム・アレイヘム著 西成彦訳
(カバーより抜粋) ユダヤ人集落のしきたりを破って伝統の枠から飛び出してゆく娘たちの姿に民族離散の主題を重ねた、イディッシュ文学の金字塔。『屋根の上のバイオリン弾き』の原作。
調子のいいおっちゃんが主人公…なんだけど、子供が次々と離れていくのは読んでいて辛い。ツェィトルが一番幸せな結婚だな、と思ったけど、亭主に先立たれて子供抱えてって…。弄ばれて身を投げた娘の話は哀しいし。革命家と結婚した娘の後日談は出てこなかったけど、どうなったんだろう。玉の輿のはずの娘は零落してしまうし。おっちゃんと最期に一緒にいるのはツェィトルとハバァだけだけど、ハバァも幸せだった様子でもない。でも、生きていく力というか強さを感じさせられる作品だった。重い作品なのに語り口が軽快というか軽い調子なので、読み易くもあった。