2017年8月14日月曜日

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫)

グレッグ・イーガン著 山岸真編訳
(カバー裏より抜粋) 「この子がわたしの娘なの。生まれてくのがほんの何年か遅くなっけれど」ー待望の第一子となるはずだった女の子を失った科学者夫婦が選択した行動とは!?

 7篇収録の短篇集です。実はちょーとハードSFすぎて、私の頭では無理な作品もありました。これは私の頭が悪いのが悪いのです。「ルミナス」は全くダメでした。難しすぎる←あくまで私の頭では、です。「決断者」もいまひとつよくわかりませんでした。

 「行動原理」脳に作用するインプラントを使用して自由を手に入れる。その自由の意味とは?妻を殺した犯人を殺す。その理由は理解できる。妻の死から自由になること。目的を果たした後主人公はインプラントの作用…その自由に嵌っていく。私もインプラントが欲しい。
 「真心」まとめサイトなら「旦那さん、逃げてー」とレスが埋め尽くされそうな奥さんを持った旦那さん。奥さんは「永遠の愛」を求める。旦那さんは奥さんを愛しているし、答えようと努力している。でも奥さんは納得しない。インプラントを使用して永遠に愛しあう事を望む。愛情を現在の状態にロックするのだ。正直奥さん怖い…。サラの存在は一種の「隠喩」なのかな。
 「ふたりの距離」…正直主人公二人とも頭おかしいと思った。かなり気持ち悪い。依存が強すぎるのは私は受け付けない。
 「オラクル」何というか、宗教に対する嫌悪感を植え付けたいのかな?と思える内容。宗教家が物語に大きく関わっているのは理解できるのだけれど、いかにもな宗教家臭がダメだ…。物語自体は面白い。多次元ものです。
 「ひとりっ子」AIのもっと進んだ状況で生まれた子供を作った夫婦の物語。内容は難しくてよく分からない部分が多いのですが、ストーリー自体は分かります。著者の描く夫婦は難解すぎる。女性の個性が強すぎるなーという印象です。