2017年8月2日水曜日

万華鏡 (創元SF文庫)

レイ・ブラッドベリ著 仲村融訳
(カバー裏より抜粋) "SFの叙情詩人"ブラッドベリがみずから選んだ傑作26編を収録。

 他の短篇集と被っている作品が多いかな。
 「草原」子供の残酷さ、後味の悪さは「小さな暗殺者」に並びます。子供のほうが上手で大人は翻弄されて…。コワイコワイ。
 「鉢の底の果物」殺人を犯した主人公が指紋を拭き取る…拭き取る…拭き取る…強迫観念。狂気。最後のオチがよかった。
 「ちいさなねずみの夫婦」主人公夫婦が怖い!!実際存在しそうなタイプで怖い。おせっかいから一種の監視。余計なお世話。自分が正義が一番怖い。
 「骨」骨と肉の戦い!!神経症の夫と天然な奥さんの組み合わせ。神経症の夫は自分の骨に異物感を感じて…。気持ち悪い。
 「日と影」も同じような強迫観念と粘着質が何とも気持ち悪いです。 こちらはまたまた実際に存在しそうなタイプなのがヤバ過ぎです。
 表題作「万華鏡」うーん、切ないというかやるせない…。でもこの先こういう事故が起こらないとは限らない…。
 「すばらしい白服」貧乏な男達がお金を出し合って購入した白服。それを順番に着てそれぞれの思いを果たす。作品集の締めに相応しい作品。

 SFというよりホラーでは?と思う作品が多いです。私はホラーも好きだからOKですが、SFを読みたい人にはどうでしょう??あと、私は政治色とかが濃い作品は好まないのでパスです。