グレッグ・イーガン著 山岸真訳
(カバー裏より抜粋) 12歳の誕生日をすぎてまもなく、ぼくはいつもしあわせな気分でいるようになった…脳内の化学物質によって感情を左右されてしまうことの意味を探る表題作…。
表題作「しあわせの理由」。これは怖い。化学物質云々の難しい話はともかく、実際脳の腫瘍で性格が変わるのは聞いた事のある話です。この話の主人公は、腫瘍の影響で幸せな前向きな気分になっていました。で、腫瘍をやっつけたら…その薬の影響で…。脳をテーマにした作品で、人のしあわせなどの感情、その人生観、テーマはかなり重い。私は多分、いや絶対理解できていないと思いますが、それでも面白い作品です。
「適切な愛」愛はどこまでできるか?愛する人を生かす為に、お腹(子宮)に脳をかかえられますか?女性が読むと気分が悪くなるかもしれません。
「血を分けた姉妹」むー、現実的なテーマです。ありそうで怖い。簡単なあらすじは双子の姉妹が同じ病気に掛かったのだけど、一人は完治、一人は亡くなった。実は薬は…偽薬…。現実的なテーマと言ってもSFですから、その面白さはあります。でも、何というか重いな…と。
他7編。どれも面白い作品です。お勧めの作品集です。