ダフネ・デュ・モーリア著 務台夏子訳
(カバー裏より抜粋) 平凡な人々の心に潜む恐怖を白日の下にさらし、秘めた暗部を情け容赦なく目の前に突きつける。『レベッカ』『鳥』で知られる、名手デュ・モーリアの幻の初期短篇傑作集。
うーん、後味の悪さ、サイコー!!精神スプラッタサイコー!!他の短篇集にも掲載されていた作品もあります。その中の幾つかを紹介。
「人形」著者は「レベッカ」の名にこだわりがあったのかな。主人公が夢中になったレベッカ。振り回される主人公と異常性愛者…人形を愛しているレベッカ。主人公に関してはウンザリされても仕方ないような気がする。人形に負けた男。
「性格の不一致」一般的な男女の違いなのだけれど、それが常軌を逸したら?男性はある程度の自由を求める。女性は二人で一人、二人で過ごしたい、何もかも分かち合いたいタイプ。女性のほうがオカシイように読めるのだけれど、男のほうもちょっと変…。
「満たされぬ欲求」おいおい、二人とも無職なのに結婚ですか…。お父さんが意地悪に書かれているけど、お父さんは正しい。ロマンチックだけでは生きていけない。
「ピカデリー」スタートが悪かったとはいえ、ひたすら落ちていく女性の話。立て直すチャンスはあったのに。でも迷信というかジンクスのようなものに迷う気持ちは分かる。
「飼い猫」ひもに振り回される女達。母親・娘の女の部分は気持ち悪いがあることだから…。
「ウィークエンド」デートの話だけど、あるあるすぎて…ww 後味悪い話なのだけど笑えます。
どれも現実にありそうな事が誇張して描かれているから、余計に後味が悪い。この後味の悪さが著者の良さ。精神スプラッタを楽しんで下さい。