2017年9月29日金曜日

中国史談集 (ちくま学芸文庫)

澤田瑞穂著
(カバー裏より抜粋) 中国小説、なかでも怪異譚や笑話など庶民文学研究の第一人者が、多くの資料に目配りを利かせ、洒脱な筆さばきで歴史の表面に浮かび上がってこなかった知られざる裏面を独自の視点から鮮やかに掘り起こす。

 古い時代の中国の歴史は面白い。といっても全く詳しくはないのですが。民話等が好きな人にはお勧めの一冊。民話等をベースに、著者の視点で歴史の裏側を掘り起こしてくれます。しかも読み易い、分かり易い、面白い!!ただし残酷な話(皮はぎとか、私にはグロすぎ)もあるので注意。

 私は古い時代が好きなので、終盤の近代に近付いた部分の話はちょっと退屈でした。これは個人の好みなので仕方ないです。

2017年9月22日金曜日

プランク・ダイブ (ハヤカワ文庫)

グレッグ・イーガン著 山岸真編・訳
(カバー裏より抜粋) 地球から遥か遠宇宙のブラックホール〈チャンドラセカール〉では、ある驚異的なプロジェクトが遂行されようとしていた。果たして人類は時空の構造を知り得るのか?

 表題作を含む7編の短篇集です。グレッグ・イーガンの作品は元々ハードSFなのですが、これは本気でガチガチのハードSFです。私は全く歯が立ちませんでした。分からないところは飛ばす…と後書きにもありましたが、私のレベルでは大半が飛ばしになってしまいます。
 「暗黒整数」無理でした。ギブアップ!!「エキストラ」は短篇集の中の唯一のオアシスです。エキストラ…オリジナルに臓器を提供するために、意図的に脳を傷つけられたクローン。オリジナルは年老いた自分の身体を捨てクローンの若い肉体へ脳移植を試みる…。古い漫画ですが「洗礼」を思い出しました。オチが面白かったです。
  「クリスタルの夜」人間による宇宙作成?人は神になれるか?使い古されたテーマと言うなかれ、です。料理の仕方は著者によって様々。難しいところはすっとばしでしたが、ストーリーは理解できました。「ワンの絨毯」…難し過ぎてww 理数系というか物理に強いとには面白い咲くんなのだろうな…。ちなみにファーストコンタクトものです。
 他、とにかく私の頭では無理でした。解説で私のような読者の為のネタバレして下さっているのですが、ダメでした。

2017年8月25日金曜日

三惑星の探求 (ハヤカワ文庫)

コードウェイナー・スミス著 伊藤典夫・酒井昭伸訳
(カバー裏より抜粋) 〈人間の再発見〉の第二世紀。美しい砂の惑星ミッザー生まれの放浪者キャッシャー・オニールの驚異の冒険を描く〈三惑星の探求〉全4篇。

 待ちに待った「人類補完機構」完結編。主人公は母星を取り戻す為に星を放浪している。母星は独裁者の手に落ちている。「宝石の惑星」は今ひとつなのだけど「嵐の惑星」が面白い。亀少女「ト・ルース」が完璧過ぎ。そして私の好み過ぎ!!ご主人様のために長い時を生きる少女。主人公が霞んでる。そしてチート過ぎ。何と亀少女の力を主人公にトレースする、みたいな。
 簡単に母星に送り返されて、独裁者を超能力で改心させハッピーエンド。そして主人公は次の旅へ。ちょっと簡単過ぎでは…と思う部分も。そして旅の途中では、みなが主人公にひれ伏すみたいな。面白いのですが、後半ちょっとな部分もあります。

 あと、短篇が8編。短篇は中々面白かったです。個人的には「達磨大師の横笛」が良かった。救済も破滅も自由に選べる横笛がたどる運命。穴を閉じるか開くか。最後のオチが…。「親友達」…つらいなー。許されるべき妄想…。彼は彼らを待ち続けるのか。

 著者は早世されていて、作品が少ないのが本当に残念です。作品集はこれが最後かな…。

人形 (創元推理文庫)

ダフネ・デュ・モーリア著 務台夏子訳
(カバー裏より抜粋) 平凡な人々の心に潜む恐怖を白日の下にさらし、秘めた暗部を情け容赦なく目の前に突きつける。『レベッカ』『鳥』で知られる、名手デュ・モーリアの幻の初期短篇傑作集。

 うーん、後味の悪さ、サイコー!!精神スプラッタサイコー!!他の短篇集にも掲載されていた作品もあります。その中の幾つかを紹介。

 「人形」著者は「レベッカ」の名にこだわりがあったのかな。主人公が夢中になったレベッカ。振り回される主人公と異常性愛者…人形を愛しているレベッカ。主人公に関してはウンザリされても仕方ないような気がする。人形に負けた男。
  「性格の不一致」一般的な男女の違いなのだけれど、それが常軌を逸したら?男性はある程度の自由を求める。女性は二人で一人、二人で過ごしたい、何もかも分かち合いたいタイプ。女性のほうがオカシイように読めるのだけれど、男のほうもちょっと変…。
 「満たされぬ欲求」おいおい、二人とも無職なのに結婚ですか…。お父さんが意地悪に書かれているけど、お父さんは正しい。ロマンチックだけでは生きていけない。
 「ピカデリー」スタートが悪かったとはいえ、ひたすら落ちていく女性の話。立て直すチャンスはあったのに。でも迷信というかジンクスのようなものに迷う気持ちは分かる。
  「飼い猫」ひもに振り回される女達。母親・娘の女の部分は気持ち悪いがあることだから…。
 「ウィークエンド」デートの話だけど、あるあるすぎて…ww 後味悪い話なのだけど笑えます。

 どれも現実にありそうな事が誇張して描かれているから、余計に後味が悪い。この後味の悪さが著者の良さ。精神スプラッタを楽しんで下さい。