2013年9月11日水曜日

丘の屋敷 (創元推理文庫)

シャーリィ・ジャクスン著 渡辺庸子訳
(カバー裏より抜粋) 博士の調査のため、幽霊屋敷と恐れられる〈丘の屋敷〉に招かれた三人の協力者。ー中略ー次々と怪異が起きる屋敷に、協力者の一人エレーナは次第に魅了されていく。

 映画「THE HAUNTING たたり」の原作本ということで読んでみた。映画は良作で、とても面白かった記憶がある。でも原作には叶わない。とても面白かった。怪異現象自体が怖い訳ではない。エレーナがヤバすぎ。屋敷にたどり着くまでの行動…というより感情の動きがヤバい。置かれていた環境のためにかなり歪んでいる。で、対照的なセオドラが登場。仲良し期から反目、そして依存。セオドラへの依存の空想にゾッとする。セオドラ、逃げてー状態。モンターギュ夫人の登場で加速していく、エレーナの感情の動きが怖い…人の怖さだと思う。でもね、エレーナの性格、自分と似ていて哀しい。理解できるてしまうのだ、感情の動きを。最後の方の行動は、既にエレーナは屋敷になってしまっているのだ。で、結末の責任は博士にあると思う。セオドラの部屋に血でエレーナの名前が書かれた時点で、帰さないか?普通…。