ジョセフ・ギース/フランシス・ギース著 三川基好訳
(カバー裏より抜粋) ノーフォークの紳士階級・パストン家に残された千通を超す書簡から描き出す。十五世紀の社会と一族の生活。
西欧が契約社会になった理由の一つが理解できた気がする。なんという無法状態。読んでいるうちに訳が分からなくなる。戦争、略奪、結婚…そして金、金、金…。私文書だけに生々しく伝わってくる。この時代は夫婦別居の期間が多いのかな。旦那への奥方の手紙が目に付く。お金の話、息子の取りなし、細々した必需品の請求。紳士階級というといまでこそ裕福といった印象だけれど、そうでもなかったんだ。もちろん使用人はもっとたいへんだったのだろうけど。