2013年9月14日土曜日

スリーピング・マーダー (ハヤカワ文庫)

アガサ・クリスティ著 綾川梓訳
 (カバー裏より抜粋) 若妻グエンダはヴィクトリア朝風の家で新生活を始めた。だが、奇妙なことに初めてみるはずの家の中に既視感を抱く。ミス・マープルが、回想の中の殺人に挑む。

 記憶を手がかりに、一つ一つ謎を順に解いていく。マープルは、あくまで脇役に徹しているのだけれど、ポイントポイントを上手に押さえている。楽しく読ませてくれた。ポアロのシリーズもいいけど、マープルのほうが好きだな。ただちょっと御都合主義を感じなくもない。あと、その他容疑者になる人たちの印象が弱い気もした。拝啓の書き込みが薄いせいかな。必要ないといえばそれまでだけど。もう一つ、始めから犯人が誰か分かってしまうのが、この物語の困った点だと思う。