(「キネマ旬報社」データベースより)
初見はTV放映でしたが、山田五十鈴がヤバすぎて、もの凄く印象に残っていました。今回改めて観てみたのですが、三船敏郎だけ顔が濃すぎ、他の武者はのっぺりの日本人顔なのに。山田五十鈴顔の化粧ヤバすぎ。実は物の怪の化身では??と思わざるを得ない迫力です。鷲津=三船は顔は迫力なのですが、奥さんの尻に敷かれている小心者。奥さんと物の怪に踊らされて、自滅してしまいます。奥さんも死産で気が狂ってしまいます。最後がどうなったのかは分かりませんが、狂ってしまった以上、武家の妻としての自害もなさそう。圧巻はラストの鷲津への弓矢攻勢。これは素晴らしい出来です。全体に間が長過ぎて、人によっては退屈してしまうかもしれません。お話自体もマクベスの焼き直しですから、特にドラマチックというわけでもありません。あと、何言っているのかわからない部分も多いです。万人に勧められる作品ではありませんが、自ら狂気に陥って行く主人公夫婦とラストだけは一見の価値はあります。