2015年1月1日木曜日

蜘蛛巣城 (1957 日本)

黒澤明がシェイクスピアの「マクベス」を日本の戦国時代に置き換えて映画化した戦国絵巻。難攻不落を誇る蜘蛛巣城の城主・都築国春に仕える武将・鷲津武時と三木義明は、城の前にある蜘蛛手の森でひとりの老婆と出会い、ある予言を聞かされる。
(「キネマ旬報社」データベースより)

 初見はTV放映でしたが、山田五十鈴がヤバすぎて、もの凄く印象に残っていました。今回改めて観てみたのですが、三船敏郎だけ顔が濃すぎ、他の武者はのっぺりの日本人顔なのに。山田五十鈴顔の化粧ヤバすぎ。実は物の怪の化身では??と思わざるを得ない迫力です。鷲津=三船は顔は迫力なのですが、奥さんの尻に敷かれている小心者。奥さんと物の怪に踊らされて、自滅してしまいます。奥さんも死産で気が狂ってしまいます。最後がどうなったのかは分かりませんが、狂ってしまった以上、武家の妻としての自害もなさそう。圧巻はラストの鷲津への弓矢攻勢。これは素晴らしい出来です。全体に間が長過ぎて、人によっては退屈してしまうかもしれません。お話自体もマクベスの焼き直しですから、特にドラマチックというわけでもありません。あと、何言っているのかわからない部分も多いです。万人に勧められる作品ではありませんが、自ら狂気に陥って行く主人公夫婦とラストだけは一見の価値はあります。