2015年1月1日木曜日

バペットの晩餐会 (1987 デンマーク)

ガブリエル・アクセル監督
ただひたすらに牧師の父の教えを守り続け、慎ましく生活を送る姉妹。
そこに現れた一人の女性により、姉妹、そして周りの人間が幸せを感じ始める。
食べることの幸せ、そして心と体が温まる逸品! 


 ああ、海亀ちゃんうずらちゃん、なんという哀れな姿…!!運ばれてきた姿と料理された姿のギャップに笑ってしまった。牛の頭にも…ごめんなさい。信者のみなさんの見たこともない食材へのビビりっぷり。誰もが未知への恐怖は当然。でも基本が優しい。料理のことは何も言うまいと。で、そこから生まれる晩餐会でのギャップ。うまくできてるなー。

 姉妹の父である牧師さん、神のためなら娘の幸福は犠牲。村人も何とも思っていない様子。ある意味狂信的なんだけど、そういう集団につきものの怖さがない。優しいのです。フランス革命で追われてきた女性も受け入れる。

 小説版もとても良いです。もっと細かい事情や状況も分かりますし。でも料理自体の描写、また料理が進むにつれての村人の表情の変化などは映画の強みですね。 ようはどちらも良作なのでお勧めです。あ、力一杯のドラマを求めておられる方はパスした方がいいと思います。