うまい犯罪、しゃれた殺人 (ハヤカワ文庫)
ヘンリイ・スレッサー著 高橋泰邦訳
(カバー裏より抜粋)ヒッチコックが愛した短篇の名手スレッサー。その傑作群から、ヒッチコック自身が精選した十七篇を収録した、珠玉の短篇集
各短篇ともそのまま映画になりそうな内容ばかり。後味の悪い作品が多いのですが、上手く言えないけど、スマートに終わらせているというかまとめているというか。で、各短篇の主人公の性格、ヤバいのばかりです。解説の方は魅力的と書いてみえますが、ある意味魅力的かもしれないけど、こんな人達が周囲にいたら嫌ですけど、私。
個人的なお勧めは「逃げるばかりが能じゃない」20万ドル横領した主人公がお金を預金して自首、出所後二十万ドルを返還、でも多額の貯金の利子を得た…。12年間、20万ドルで8万ドルの利子…。アメリカではあり得るのか??実はそこに頭がいってしまってww 「恐ろしい電話」登場人物がどこにでもいそうなタイプで怖い。他人の行動を監視し、気に染まないと邪魔に走る人、いませんか?「競馬狂夫人」競馬の借金が返せなくて寸借詐欺、お金を手に入れたら天啓(言葉のキーワード) を得てまた競馬。寸借詐欺はともかくあるあるだなーと。他の作品もかなりドロドロだけれどそれを感じさせない軽快さ(なのかな)で楽しめます。