2010年11月5日金曜日

江戸人の生と死 (ちくま学芸文庫)

立川昭二著
江戸後期を生きた六人の生き方にスポットを当てる。

 小林一茶って…。知っている作品が少ないせいかもしれないが、もっと穏やかな人かと思っていた。梅毒…。本の裏に「死生観を」とか書いてあるけど、あまりそういう感じには受けとれなかった。様々な死に際があるな、と。私が底浅い人間だからだろうけど。一番凄いなと思ったのは、滝沢みち。時代が違うのだろうけど、ここまでとことん尽くすんだ…。共依存か、人が必要とされることに対する快感か…。底知れないわ。私が好きなのは上沢杜口。現代人にも共感もたれるのではないかな。p20「公務を常として、出来栄もせず、越度もなきがよし。出来したがり誉められたがるは、皆求めたる私なり。故にては怪我をする」 要は仕事は誉められる必要は無い、確実にこなしておけ、ということかな。この言葉が好きだ。
 結論。死ぬ時はぽっくり。苦しむのは嫌だ…。