2010年11月9日火曜日

江戸のはやり神 (ちくま学芸文庫)

宮田登著
既存の宗教から離れた、民衆が生み出した宗教。一時的に熱狂と衰退から民衆の宗教意識や民俗を考察する。

 ずっと不思議に思っていたこと。なぜお賽銭を置く?私は外国のことは知らないのだけれど日本人の習性?以前ある百貨店で仏像展みたいなのが開催されていた。展示物の前にはお賽銭…。人面犬や人面魚にもお賽銭あげていたのか。いったい何のご利益を求めているのだろう??物には神が宿るみたいな一種の信仰があったけど (この考えは私は好きだ。今はすたってるけど) どんなものにも神様求めてしまうのね。
 祟るものや怖いものを福に変えてしまうのも面白い。歯の抜けたお婆さんに祈って、なぜ歯が良くなるのか理解に苦しむ。ただ、昔は医学も科学の発達がないから、そういうのに頼らざるを得なかったのは仕方ないことだけど。頼るものを発想で造り上げて熱狂していくようにも読めた。で、信仰…今の時代でいうと話題を集めているもので金儲け。いつの時代もこれは一緒。
 都市伝説の類いには触れて、新興宗教…オウムとかがまだ新しいのなら天理教でもいいけど、その辺りについての考察がないのが残念。著者の考えを読みたかった。…60代で亡くなったのか…残念。