2010年11月29日月曜日

売春の社会史 上・下 (ちくま学芸文庫)

バーン&ボニー・ブーロー著 香川檀・家本清美・岩倉桂子訳
売春の歴史を綴りながら、男女間の社会問題を浮き彫りにしていく。

 アフリカで、処女とセックスするとエイズが治るみたいな迷信があるそうだが、迷信の発祥は欧州かよ…。少女売春に関しては、マジ吐き気する。p242の匿名の手記の内容って、某巨大掲示板の書き込みと変わらないレベルじゃね?こういうのが今もいるんだろうと思うと…プロ市民の運動は嫌いだけど、何とかならないかとは思う。
 売春の歴史と男女間のことは面白かった。時代が進むにつれての男女の関係の変化、二重規範、当然宗教や性病も関わってくる。金で囲われている愛人と売春婦の違い…改めて考えると確かにどこが違うのかと。ま、美貌、知識、礼儀作法を兼ね備えた娼婦って憧れてしまうのも本音だけど。で、既にというか大昔から身動きがとれない状態が出来上がっていた。要は売春は無くならないし、対策も無い。p352に著者が結論を述べているけど、個人の裁量に任せるというような内容。ここまで引っ張ってこの結論??と思った。