篠田鉱造著
幕末の庶民の生活を採集。激変期の日本の大衆が浮き上がる。
うーん、大変な時代だったんだ。江戸末期当時の 思い出話を採取しているので、記憶に個人的な修正は入ってはいるのだろうけど、それを差し引いても怖くて面白い…語弊があるかもしれないけど興味深い時代だと思った。町人の話だけではなく、大名の生活の話もあり、戦争もある。第三者として読んでいるから、官軍幕府軍どっちもどっちだと思えるけど、この時代に生きた人は必死だったのだろう。軽い語りで綴ってあるが、中々重い話もある。これは江戸を中心とした話ばかりで、地方はどうだったのだろう?
現代は?と考えれば、形を変えて繰り返しているような気もする。侍は…威張っているところが議員とか、商人はやっぱり商人だし、町人は大衆として生きている。私たちも大変な時代を生きているなんて思っているけど、この時代に比べれば…かな。ま、戦争だけは勘弁かな。…別に私は左でも九条信者でもないので念のため。