2010年11月19日金曜日

悪霊論 (ちくま学芸文庫)

小松和彦著
「異人論」をメインに、それに関連した著作を掲載。日本人の「闇」を探る。

 まず思ったこと。情報の採取について。これが聞き手次第で元の形を損なってしまうということ。民俗学や人類学などの採取においてはもちろんのこと、何気ない日常の会話でもあり得ることだから、考えないとと思った。
 「村はちぶのフォークロア」…思い出したのが「名張毒ぶどう酒事件」。犯人云々は置いといて、分かんないし、ここでの村八分の件は、私程度が知っているのだから有名といっていいんだろうな。典型的な例と言っていいと思う。Wikiで読んだだけだし、どこまで本当か分からないけど。
 節分の話は興味深かった。というか、某スーパーが節分は年に二回とか宣伝していたという話を聞いたけど、半分本当で半分嘘。実際は四回だそうです。立春、立夏、立秋、立冬…節分だったのか。この中でたまたま行事として大きくなったのが立春。やっぱり春だしね。で、この著作を読む限り、巻き寿司はやっぱり近年のものだろうなという印象。こうやって行事の意味も内容も変わっていくのかな、良くも悪くも。
 日本人の「闇」…外国とはひと味違う闇を垣間みることの出来る一冊。今はかなり表面上薄れてはいるけれど、無いとは言えない。一般人でもちょっと濃いエッセイとして楽しめる一冊。