2011年1月19日水曜日

エビータ (新潮文庫)

ジョン・バーンズ著 牛島信明訳
アルゼンチンで聖女と呼ばれた「エビータ」の生涯を描く。

 「エビータ」アルゼンチンで崇拝されている人程度の知識で読んでみた。まあ何というか、歴史上よく出てくる独裁者なんだけれど、違うところは一番底辺の労働者からの支持が絶大だったこと、彼らに恩恵を与えたことなんだ。もちろん悪口を言った奴は除く。彼女がやったことは確かにいいことなんだ。虐げられるだけの階級を救ったのは確かなのだから。彼女がいなければ、自分たちの権利に対する意識を持つことも難しかっただろう。でもそれはあくまで彼女自身の満足のため、虚栄心がもの凄い女性といった印象。反面敵に対しては容赦ない。財産はそうとうため込んでいたようだし。経済もダメダメ。読んでいるだけで超インフレになってしまうのは目に見えるよなー、と。功罪については議論の多い女性だろうけど、これぐらいのことは実はどこの国でも影で起こっているんじゃないの?あと、大衆には肉と娯楽を与えておけ、ということで。なんかこういう諺というか格言があったような気がするけど、思い出せない。
 ペロン?あれは「エビータ」に付いているおまけでしょ。