2011年1月24日月曜日

匪族の社会史 (ちくま学芸文庫)

エリック・ホブズボーム著 船山榮一訳
英雄視される匪族の成り立ち、種類、社会との関わりについて。

 ロビン・フッドって、実在の人物ではなかったのか…恥ずかしい。匪族と呼ばれる人物の中から、義族と呼ばれ、なおかつ農村出身者を中心に述べられている。それは一つの社会現象であり、また近世のものでもある。(中国は除く)…そういわれてみればそうなのかな。あくまでこの著作は、匪族の一般に伝わっている逸話等から考察するもので、実際どういう人物であったかは基本的に考慮していない。時代が生み出した存在としての匪族、民衆が自分たちの正義を求めて現れた存在。中々興味深い作品だった。