2014年5月20日火曜日

ジュリアス・シーザー (新潮文庫)

シェイクスピア著 福田恒存訳
(カバー裏より抜粋) "おれはシーザーを愛さぬのではなく、ローマを愛したのだ" 高潔な勇将ブルータスは、自らの政治の理想に忠実であろうとして、ローマの専政君主シーザーを元老院で刺殺する。

 主人公はシーザーではなくブルータスなのか。ブルータスの高潔…正しくあろうとして、失敗を犯す。アントニーを生かしておくという大失態。そして自らが追いつめられる。なんというか、始めから行き当たりばったりを認めているからね、本人達が。そしてシーザーの幽霊を見るというのは、自らの行動への疑問というか自責の念があるのだから、やめておけばよかったのだ。理想に酔い、自分を見つめる事のできない人物でもあったのか?
 シェークスピアのブルータスは高潔の人だけれど、実際のブルータスはどういう人物だったのだろう。立派に描かれれば描かれる程に気になる。