2026年8月22日土曜日

史料が語るビザンツ世界(ちくま学芸文庫)

 和田廣著
(カバー裏より抜粋) 資料に刻まれた人々の営みから、ビザンツ世界の多様な相貌が浮かび上がってくる。
 
 ビザンツ帝国を階級、大雑把な立ち位置から読み解こうという著作。しっかし皇帝って暗殺されすぎ、「約束?何それ美味しいの?」状態多すぎ。グロい表現はありませんが、想像して気持ち悪くなる。想像しなかったら大丈夫。
 ただ、庶民の立場から語る部分が史料の少なさからか、他の階級の残した史料からの考察になってるかなーみたい。
 
 とても読みやすいので、難しすぎるのは〜という方でも問題無しです。最低限の基礎知識はあったほうがいいですが。難点は史料からの抜粋は眠くなる事かなー。 

2026年8月4日火曜日

「罪と罰」ノート(平凡社ライブラリー)

 亀山郁夫著
(カバー裏より抜粋)ロシア文学を代表する小説「罪と罰」をドストエフスキー研究の第一人者が読み解く。
 
 実は「罪と罰」は読んでいません。いや、ちょーとだけ読んだのですが、うん、中学生だったかな、父が誕生日のプレゼントに古本屋で子供が読むような本ではないのを大量に買ってきた中の一冊でした。読んでギブアップしました。…退屈して…
 
 でも本編は読んでいなくても、こういう考察本は大好物。まああらすじは分かっているからと思い買ってみました。
 
 読んでいなくてもOKです。楽しめました。もちろん読んでいた方が楽しめます。あとドストエフスキーの事を知っていたら、もっと楽しめます。
 
 という程度の私の感想。とにかくいろいろと仕組まれているのは分かった。っていうか、知識広すぎ。知っているだけではなく、知識を組み込む事、とにかく深い。登場人物の名前から行動の意味、どんな頭しているの?と聞きたい。
 この一冊を読んだら「罪と罰」を読んだ気分になれる。もちろん気分だけだけど。私は気分だけで十分です。読み込める自信はありませんわ。 

2026年3月26日木曜日

ブリタニア列王史(ちくま学芸文庫)

 ジェフリー・オヴ・モンマス著 瀬谷幸男訳
(カバー裏より抜粋)   本書を通じてその生涯や事績がはじめて体系化されることになったアーサー(アルトゥールス)王や魔術師マーリン(メルリヌス)らの活躍が鮮烈な印象を残す、ロマンス文学の先駆的古典。
 
 と裏には買いてありますが…ロマンスとは??な著作です。書かれた時代を考えると「まーこうなるよね」という内容ですが、ちょっとドン引きするくらい血生臭く殺戮や殲滅が行われます。
 実はこの本、深く考えずに、裏面も読まずに、中身をチラ読みして「おお、ブリタニア側から見た歴史物!!」と思って買って読んで、マーリンが登場して「あれ??」ようやく創作物と気がついた始末。ローマ軍が弱すぎで、ローマ史も軽く上っ面は読んでいるのですが「あれあれ??」とは思っていました。
 
 そしてアーサー王の扱い軽い…三分の一に満たなくないか?あっという間に療養に旅立ってしまった。ま、アーサー王物語ではなくて、各時代の王様の話だから仕方ないかー。
 
 血生臭さがなければ面白く読めます。あとマーリンの予言のところは退屈で飛ばしました。 

2025年7月18日金曜日

語るボルヘス(岩波文庫)

 ボルヘス著 木村榮一訳
(カバー裏より抜粋)  一九七八年にブエノスアイレスの大学で行われた連続講演の記録。「この五つのテーマは私の内面と深くかかわっていて、これまで自分が思念を凝らしてきたものなのです」
 
 個人的なお勧めは「書物」。始めは書物の歴史からですが、途中からが肝です。ボルヘスも積読してた??若干ニュアンスは違うけど。
 
P27 私は今でも目が見えるようなふりをして、本を買い込み、家じゅうを本で埋め尽くしています。先だっても、一九六六年版のブロックハウスの百科事典を贈り物にいただきました。家の中にその百科事典のあることがはっきり感じとれ、私は一種の至福感にひたっていました。
 
 わかるわー!!そこに本のある幸せ。積読な人には「書物」はお勧めです。
 
 そしてこの講演、目が見えなくなってからなのですよ。アンチョコ無しです。ものすごく記憶力のある人物ですが、超人ですね。
 
 あと「探偵小説」も好きです。有名どころが取り上げられていますから、馴染みやすいと思います。
 
 訳がいいので、読みやすくて分かりやすいです。これはお勧めです。 

2025年5月6日火曜日

英国古典推理小説集(岩波文庫)

 佐々木徹編訳
(カバーより抜粋)本邦初訳を含む、古典的傑作八篇を収録。読み進むにつれて推理小説という形式の洗練されていく過程が浮かび上がる、画期的な選集。
 
 この作品集の中で一番面白かったのは「ポー」でした。ディケンズの「バーナビー・ラッジ」 が抜粋の形で掲載されていて、ポーが書いた書評が載っています。こちらも抜粋です。抜粋ですが、面白い。推理小説作家でなくとも、物書きには必要な事が説かれています。ま、マウントぎみなのは仕方ないかー。推理小説作家の元祖と言って良い作家ですから。
 
 次に面白かったのはブラウン神父ですね。面白さは鉄板。名作です。
 
 個人的に迷作と思ったのは「ノッティングヒルの謎」です。読んでいて疲労した…。推理小説というよりホラー寄り。双子の女性達の病状をそれぞれ日付を用いて証言者によって組み立てて行くのですが、疲れる…。そして、犯人・元凶の男爵の一人勝ち??どうなる??みたいな形で終わっているのが不満点。
 
 現代の推理小説と比べると、謎解きは甘いと思われる作品が多いのですが、私みたいに複雑なものより適度な楽しめる小説を読みたい者にはうってつけです。現代より近世の雰囲気も好きな点ですねー。

2025年5月2日金曜日

賄賂と民主政 古代ギリシアの美徳と犯罪(講談社学術文庫)

 橋場弦著
(カバー裏より抜粋) 古代ギリシアは、贈与交換を「美徳」とする社会だった。では、贈与と賄賂はどう違うのか。賄賂はなぜ厳しく断罪されるようになったのか。
 
 贈与と賄賂…。古代においての贈与と賄賂の微妙なライン的な話ですが…。怖いわー、古代ギリシア…。戦争和議を提案したら石打ちとか、戦争で勝ったら賄賂で敵に引かせた、負けたら敵から賄賂をもらった、いったいどうしろと? 戦争で敵を買収して寝返らせてもアウト!なのか??
 その裏では、個人の贈与は行われている。なんだかその時の空気を読めなかったものが生贄にされていたのでは?と思えなくもない。どうしてもこういう著作は起こった事例を並べるので「古代ギリシアってヒステリーっぽい」と思えてしまう。
 
 いや、面白いですよ、これ。贈与と賄賂の関係は考えるところありですし。でも一度槍玉に上がったら…やはり怖い世界です。

中世ヨーロッパの色彩世界(講談社学術文庫)

 徳井淑子著
(カバー裏より抜粋) なぜカジノ台は緑色で、スーツにはダークカラーが多く、囚人服は縞模様なのかー全ての答えは西欧の中世世界にある。
 
 西欧中世の色についての著作です。日本も色々と影響を受けていますねー。囚人服…実際は縞々では無いでしょうが、コント劇などでは縞々で、そしてそれを見て私たちは「囚人」と納得する。
 また日本古来…とまではいかなくても、江戸時代には弔いの色は黒となっていたと思っていましたが、明治からだと、西欧の影響だとは知らなかった!!
 
 そして色の概念。黄色って蔑みの色だったのですよ。灰色は今もそうイメージは変わらず絶望とかそういう系。庶民から王侯貴族の普段着の青、権威の赤←枢機卿とか赤というか緋色のイメージですよね。
 
 そして目に映る色の不思議。日本でもありますよね、信号機。緑なのに青という。中世西欧では海を白いと表現していたとか。
 
 現代にも、日本にも通じる色についての内容で、親しみやすいですね。 しかも文章が読みやすい!!個人的にはお勧め。
 
 でも文庫、高くなったわー。これも購入時1200円。厚みはないのですけどねー。 

2025年3月19日水曜日

魚で始まる世界史(平凡社ライブラリー)

 越智敏之著
(カバー裏より抜粋)都市の興隆を、自由と独立の精神を、ヨーロッパ近代をもたらしたー。魚でたどる目からウロコの世界史。

 ヨーロッパ…フランスとイギリスとオランダがメインで登場する国。となるとキリスト教と魚の関係が軸となります。断食でも魚はOKというところから話は始まります。そしてキリスト教の教派内の争いまで。
 
 そして漁の話へ。登場する魚はニシンとタラがメイン。そして国家間の争いから経済の変化、漁師の扱いなど魚をメインにして多岐のお話となります。一般の人が知っている話から知られていない話まで、なかなか興味深くて面白く読めました。
 私的にはお勧めの一冊。素人でも楽しめますよー。

2025年1月31日金曜日

サラゴサ手稿上・中・下(創元ライブラリ)

ヤン・ボトツキ著 工藤幸雄訳
 
(カバー裏より抜粋)サラゴサ包囲戦中、無人の館でエスパーニャ語の手稿を発見したフランス軍士官がその後捕虜となる。彼の持つ手稿が自分の先祖の物語だと知った敵の隊長は喜び、その物語を彼にフランス語に訳し聞かせた。
 
 なぜこの本を買ったかというと「パケ買い」でしたw そしてちょっと内容読んで「面白いかも」と。大概外れるのですが、これは当たりでした。

 カバー裏にあらすじありますが、どうでもいいかなですね。これの面白さは千夜一夜物語と同じです。物語が入れ子になっているところ。ただし千夜一夜では話し手と聞き手は同じ人物ですが、こちらは話し手は変わる、聞き手は主人公以外は変わります。
 話の内容は今時の人にはつまらないかも。私は面白かったけど。話し手によってはつまらないけど。面白い話し手が続くのではなく、途中で別の話し手の別の話になってしまって、また戻ってくるみたいな形です。基本は恋の話。こんなクズ男捨てろよとマジ思うパターンが多いですが、時代背景を考えると仕方ない。
 
 お勧めできる本ではないです。マジで。趣向で読み手選びますねー。本屋さんで内容確認してから買うべき作品です。

2024年8月21日水曜日

古代エジプト動物誌(講談社学術文庫)

 酒井傳六著
(カバー裏より抜粋)時に祟め、時に恐れ敵対した動物たちとエジプト人との関係や、動物ミイラの作り方、当時の社会や宗教観までを活写した、異色の歴史書

 実は「パケ買い」。猫の像の足元に子猫ですよ。ニャーって鳴いてるのですよ。買いますよね!!しかも、猫に割り当てているページ数多い!!次点は犬。古代に於いても身近な動物だから。著者もそのようなことを書いて見えます。

 そして読みながら図を見て「古代エジプトの神様って獣人!?」とか、いろいろ楽しめる一冊です。

 びっくりは動物ミイラの種類。猫、犬はもちろん、蛇のミイラ??できるの??とか。スカラベもミイラにされているし。それぞれの章に墓、棺、ミイラについて記載されています。
 
 文章が読み易くて、内容も分かりやすい。専門知識は必要なくて、面白いのでお勧めです。
 

2024年4月16日火曜日

イギリス貴族(講談社学術文庫)

小林章夫著
  (カバー裏より抜粋)政・海・軍のリーダーとして大英帝国を支えつつ、空前の豊かな生活を送った貴族たち。世界中に広がった「英国的」な文化には、彼らが育んだものが多い。
 
  貴族のイメージというと…現代は税金対策が大変のようですが、最盛期は?
 
 とりあえず貴族の説明があります。種類多い…日本のファンタジー系に登場する伯爵とか色々が中国発端とは知らなかった。外国のルール等を日本語で紹介するのは難しいということですね。そして、侍女、メイドとか立場違うんだー。しかもブラック企業!!これは主人の当たり外れでいろいろ変わりそう。
 そして目眩く贅沢な生活。ファンタジー系時代小説を書く方にはお勧め。貴族的な生活の参考になります。
 
 それが現代になると…ですね。もともと貴族は金儲け(商人とか) を卑しい行為としていたようで、そこから方向転換できたらいいのですが、できなかったら…。それでも一般庶民よりは…とか思うのですがどうでしょう。

 国によって違いがありますが、貴族入門書としては最適です。その方向に興味がある方にはお勧めです。

蜻蛉日記(講談社学術文庫)

 全訳注 上村悦子
(カバー裏より抜粋) 美貌と歌才をもち、権門藤原氏に求婚された才媛が人生の苦悩を赤裸々に告白する、平安王朝の代表的日記文学。
 
 愛が重いわー…という第一印象。源氏物語の六条御息所を思い出してしまった。美貌と才能とそれなりの家柄(一応貴族かな??藤原氏家門が正妻にするのだから)を持って生まれてしまったからのプライド。
 読みながら「ツンデレ」のツンだけでどーする!!!と。ライバルがいるのに ダメだろと。平安時代の女性の立場から考えると余計に…。もう一人の北の方が絶対一枚上手だったのだろうな。

 本当に女性の立場の弱さ。幸い子供が産まれたから…でなかったら…。本当、釣った魚に餌をやらないとはこの時代にピッタリと。あ、著者の実名は伝わっていない。藤原道綱の母とだけ。

 読んでいて辛い。楽しい記述より苦しみの記述が多いから。特に訪れない夫への想い。著者の家の前を通っているのに素通りとか、辛すぎる。夫のプライドから出家も許されない。
 
 これを手に取ったのは、時代の貴族の事情を垣間見たいと思ったからですが 、辛すぎました。マジで。

2024年3月12日火曜日

帳簿の世界史(文春文庫)

 ジェイコブ・ソール著 村井章子訳
  (カバー裏より抜粋) 歴史の裏には全て、帳簿を駆使する会計士がいた!

 帳簿というか複式簿記の歴史です。かなり古い時代から使われていたのは驚き。イタリアが発祥というのは納得。商人には必須でしょう。オランダで盛んだったのも納得。
 時代の流れの中で簿記が果たした役割…メディチ家の没落、ルイ16世、マリーアントワネットの処刑までの流れ、スペインの没落。どうしても王様は予算の実態を見たくはないでしょうから…気持ちは分かる。公開なんて絶対したくないよね。

 そして近代からリーマンショックへ。改めて今の時代の簿記や会計の複雑さを考えた。頭痛くなってきた。会社を運営するのってどれだけ複雑???国内だけでなくて海外にも会社あって。全ての流れを把握ってできるの???

 本としては面白かったです。前半は。歴史上の人物との関わりとか楽しかったけど、近代に入ってくると…現実が近づいてくる感があって。私が古い方の歴史好きだからなのもありますが。

2024年2月20日火曜日

カリオストロ伯爵(草思社文庫)

イアン・マカルマン著 藤田真利子訳
  (カバー裏より抜粋)錬金術師、医師、預言者、詐欺師、フリーメイソン会員と幾つもの顔を使い分け、〈理性と啓蒙の時代〉の18世紀を妖しく彩った男の生涯を追う。
 
 カリオストロ伯爵というと、いろいろな時代に現れる時を超越した人物、 小説、映像作品でも使い易い人物のイメージです。これを手に取ったのも怪しげな人物の実像を知りたいと思ったからです。
 
 読んでみてどうだったかというと、凄い成り上がり!!褒め言葉ですよ。どうやって病気治したの?? プラシーボ効果にしても限界があるだろうし。誰かが煽動してたの??それが一番の疑問です。
 他人を惹きつける魅力はあったのでしょうね。虚言癖と上昇志向の塊で口が旨い。フリーメーソン内でチマチマしていたら、王家を敵に回さなかったら、もう少しマシな最期だったのでしょうが、それが我慢できない人物。
 
 そしてマリーアントワネットの首飾り事件にも関わっていたのかー!!ジャンヌさんは有名人ですが、この女性もなかなか凄い!!
 
 カリオストロ伯爵の生誕の地が観光地になっていないことも驚きでした。これだけ有名人なら祭り上げそうだと思うのは日本人だから??かな。
 
 ちょっと思ったのは最愛の奥方セラフィーナ、他の男に差し出されたり愛人作ったり、でもカトリック教徒な女性。最後はカリオストロを裏切るのですが。カリオストロと知り合わなければ、貴族か裕福な庶民の愛人で終われただろうに…と思ってしまいました。

2024年2月1日木曜日

スパイス戦争(ちくま学芸文庫)

 (カバー裏より抜粋)莫大な富を求め、命を賭して未到の地へ向かった大航海時代。とりわけ東南アジア島バンダ諸島を産地としていた香辛料ナツメグは黄金を凌ぐ価格で取引されるようになり、島の覇権をめぐってオランダとイギリスが凄惨な争いを繰り広げることになる。
 
 グロ注意。個人的R15指定。初めはスパイスを求める困難な航海、この時代は壊血病がやばすぎる。そして航路は噂頼り。今の時代からは「なぜ北極行っちゃう??」ですが、夢見る時代だった…そして覇権争い。物語風で楽しく読めていたのですよ。途中までは。
 
 あ、この作品はイギリス目線です。オランダ憎しです。
 中盤から終盤にかけて、拷問の様子がこれでもかと描かれます。物語風が悪く出ている気が…。私は無理。ホラーは平気でもスプラッタは無理。 マジ「オランダ人ってやべー」になります。しかも登場人物の中に明らかなサイコパスがいるー!!
 ごめんなさい。途中気持ち悪くて読めなくて飛ばしました。まさかこんなシーンが連続で…。
 これはイギリス目線なので、オランダから見たらきっとイギリスだってやってるぞ、になるのでしょうね。私もやってると思うけど。
 
 そしてスパイス戦争から現在世界一(だと思う)の都市となる地域をイギリスは手に入れます。この辺りは「へー」でした。こういう経緯があったのかと。

 面白い著作ですがスプラッタがなー。耐性のない人は絶対ダメです。

2024年1月24日水曜日

ルネッサンス夜話(平凡社ライブラリー)

高階秀爾著
 (カバー裏より抜粋) ルネッサンス美術の繁栄に大きな役割を果たしたメディチ家とはどのくらい金持ちだったのか。当時の人間像を代表する傭兵隊長なるものは、どのくらい球菌を貰い、どのような戦争をしたのか…。
 
 私の大好きな一冊です。ルネッサンスをテーマにしたエッセイ集…みたいな、ちょっと違うかな。
 まずはルネッサンスといえばメディチ家。成り上がってフランス王妃まで輩出した一族。その 一族がどのくらい金持ちだったのか?当時の納税から確認すると意外な事実が。有名なロレンツォが最盛期と思っていましたが、その頃には落ち目だったとか。フィレンツェの特殊な政治形態も面白い。二ヶ月で議員交代とか、長期的な政策とかやりにくくないのか??とか。

 特に興味深いのが市民であったルカ・ランドウィッチという人物の日記。淡々とした視線で時代を見つめる内容が面白そうで。どうしても歴史においては有名人の動向がメインとなり、市民の目線は大きくしか捉えられません。その中のこのような日記はすごく有用です。
 
 他ルネッサンス期のイタリアの戦争とか←正直他のルネッサンスの歴史読んで「戦争ばっかやってる」というイメージだったのですが、実際は…戦闘パレードもどきだったと。
 時代の学者、占い←人相学がなかなかで、有名な絵画も出てきます、そして時代を彩る女性たち… 持参金が興味深い。ルカ・ランドウィッチの日記にも出てきていたのですが、この時代の女性の持参金、そして男性側からの支度金。結婚って今も昔も金が掛かるのね。
 
 他、いろいろと興味深い内容満載です。そして文章が上手いのです。読みやすい。学者先生の本は読みにくいことも多いですから。気楽に読める一冊で、おすすめです。

2024年1月2日火曜日

世界をつくった貿易商人 地中海経済と交易ディアスポラ(ちくま学芸文庫)

フランチェスカ・トリヴェッラート著 玉木俊明訳
(カバー裏より抜粋)  しかしなぜ国家の後ろ盾のない民間商人が世界経済網を構築することができたのか?膨大な史料をもとに気鋭の歴史家がその謎を解き明かす。そして商業組織の歴史をたどり、資本主義の起源に迫る。
 
 ディアスポラの貿易、経済に関する論文集かな?一般向けではありません。一般人の私の感想「ユダヤ人すげー」でした。はい、正直に申告しますと最終章はリタイアしました。
 専門用語だらけです。その筋の人向けです。
 なぜ買った?と言いますと、もう少し柔らかい貿易の歴史の本かな?と思ってしまったのです。これからはもう少し読んでから買います。←本屋で買った。

 でもつまらないというわけではありません。合名会社(会社に対する責任無限というか全部)は面白いなーと。というか私のイメージするユダヤ人に近い。基本は親族で固めて、外部に任せた方がいいことは契約を交わして使う。
 いろいろな国で活動を制限されたり迫害される民族が何かあった時に頼れるのは、外国の付き合いのある親族。親族を基本にしたネットワークが広がるのは当たり前というか、防衛ですよね。

 多分専門家の人には面白いのだと思います。でも一般人は手にとってはいけません。税抜1300円ですよ。他の本買った方がいいと思います。

2023年12月16日土曜日

ペルシャの神話(ちくま学芸文庫)

 岡田恵美子著
(カバー裏より抜粋) ゾロアスター教や古代ペシゃの伝承、そしいまなおイランの人びとがそらんじる叙情詩「王書」をもとに、ペルシャ神話の主要な登場人物・名場面を紹介する。
 
  神話系はいいですよねー。ファンタジーの基礎編みたいな感じで捉えています。←私的にはです。そしてペルシャ、何となくロマンを感じます。

 この著作は入門書。世界観を捉えるための一冊、または興味を持ってもらう為の一冊といった立ち位置のようです。実際厚みは薄い←物理的に。ので、読みやすいと思います。実際、読みやすいです。内容はサラッと書いてあっても、考えてみたらエグいなーみたいな部分も多々。神話系はそういうものなのでしょうが。
 実際、息子三人の首を部屋に飾るとか…どうよ?と思わざるを得なかった。日本人的には「墓に眠らせてやってくれ」と思ってしまいます。
 そういう違いなどを楽しむことも一興と思います。

2023年11月30日木曜日

ギリシア・ローマの文学(講談社学術文庫)

 高津春繁著
(カバー裏より抜粋)  二千年以上読み継がれてきた西洋の古典は、どのような背景から生まれたのか。膨大な作品とともに、歴史上の傑作を時系列で、鮮やかに解説し、その時代精神まで描き出す。
 
 いやー、この本を手に取ってパラパラと見て「おお、ホメロスとかの文学解説!!」←内容的なと思い込んでしまった。違いました。ローマ・ギリシアの時代を追いながら、その時代の文学を、生み出した作家とその背景を描き出すものでした。

 素人が知っているのは有名どころのホメロス、キケロ、セネカ、サッポーとか限られますが、それ以外にも多い!!当たり前と言えば当たり前。今の時代もプロ、セミプロ踏まえて、作家はどれほどの数がいるのやらですから。
 
 知らない作家の知らない作品。時代が時代なので、まともに残ってはいない。本人の作品は無くなって、伝承のみとかも多い。そこから時代を彩り、時代に消えていった作家たちを紹介する内容…かな。最後に年表が付いています。この方面へ進みたい人の入門書みたいな立ち位置の一冊です。
 
 ちょっと読みにくいのが玉に瑕かなー。

2023年8月23日水曜日

女官 明治宮中出仕の記(講談社学術文庫)

 山川三千子著
(カバー裏より抜粋) 明治四十二年、十八歳で宮中に仕えた華族・久世家の長女、三千子の手記。
 
 表紙の写真は著者かと思ったのですが、大正天皇のご生母でした。毎日こういう出立ではないですよね。歩くのも大変そう。この時代に写真に収めるのだから、正装だと思いたい。髪型も全部地毛??ではないですよね。欧米にしても日本にしても女性の正装は大変すぎる。そして、その生活は…。
 
 天皇家が垣間見えるのが、この作品の興味深いところです。いろいろなルール、行事、そして上流社会の闇闇闇
 何を嗅ぎ取るかは読者次第。私は、宮中生活に興味があって購入しました。面白いですよ。陛下ご夫妻の関係、権典侍の存在、人間関係に上下関係。あっさりとした筆致で書いてありますが、きっともっとドロドロだったのだろうと。

 日本の上流社会の資料としても面白い存在ですので、興味のある方はぜひ。