2010年10月29日金曜日

食卓の賢人たち (岩波文庫)

アテナイオス著 柳沼重剛訳

料理、その他いろいろ、宴に招かれた客が蘊蓄を披露する。一応対話篇で奇書らしい。作者については、名前以外は分かっていない。


 こういう本当かどうか分からないような蘊蓄本、大好き。楽しい。料理のことを中心に、様々な話題がでてくる。しかし、この著者はプラトンが嫌いだったのかな。とにかく否定しようとしているような。
 解説も面白い。訳の人は別に面白く書こうとは思ってみえないだろうに、何だか笑えた。訳の人も述べてみえるのだが、この「食卓の賢人たち」にしか引用されていない作品が多々あるようだ。歴史に埋もれた作品たち…。もしかしたら傑作もあったかもしれないのに残念。
 中略が多かったのも残念。編集部の都合や( 多分こっちの理由が大きいんだろうな )、内容がつまらない部分をカットしたようだけど、読んでみたかった。貧乏人には文庫が頼りなんだー。