2010年9月2日木曜日

失われた世界 ロスト・ワールド (岩波文庫)

アーサー・コナン・ドイル著 加島祥造訳
新聞記者の主人公は、女の戯言のために南米へ旅立った。そこは未だ恐竜や猿人が暮らす失われた世界だった。昔懐かし冒険活劇。

 某掲示板で「失われた世界なんて書いてる暇があったら、ホームズを書けば良かったのに」とか書かれていたのを思い出した。そんな酷い作品とは思わなかったけど。昔の冒険活劇、荒唐無稽だけれど、私はそういうの大好きなので問題ない。ハードSFを好む人にしてみたら噴飯物なのかも。荒唐無稽がダメな人は、この作品はパスしたほうがいい。ま、でも、昨今のライトノベルだってむちゃくちゃだし、この程度問題ないと思うけど。
 主人公の新聞記者が情けない、というかありがちのキャラ。グラディスが名声に靡く女ではなくて良かったじゃないか。チャレンジャー教授が個性強すぎて笑える。猿人が奴隷になったけど、外の人類が歩んだ道を繰り返すのね。この世界のインディアンたちの行く末が気になる。いずれ外の世界から…。
 最後は大円団。あらすじは王道で今更かもしれないけど、気楽に楽しめる一冊。