2010年9月7日火曜日

蝸牛考 (岩波文庫)

柳田国男著
蝸牛を表す方言から、言葉の分布を考察する。方言周圏論。「かたつむり」ではなく「かぎゅう」と読む。

 私が使うのは「でんでんむし」「かたつむり」かな。「マイマイ」は知識として知っているだけ。考えてみると不思議。蝸牛にこんなにたくさんの呼び方があるとは。それがどうようにして発生したか、影響されているかを考察しているのだが、蝸牛のほかの方言を考えてみても面白い。自分の住んでいる地域の呼び方を探してみるといいかも。
 現代の言葉はメディア、ネットの影響で全国でそれほどの違いはなくなっているのだろうけれど、新しい呼び方や隠語は発生している。隠語が一般に広まって使われるのは今も昔も変わらない。そういえば本の自炊も隠語だったとか。ネットがあるので、昔より広まるのも廃るのも早いかもしれない。
 蝸牛の話なんて退屈そうに思うだろうけれど、中々面白い。 今まで読んだ柳田国男氏の作品の中では一番好みに合った。