2010年9月13日月曜日

宇宙への序曲 (ハヤカワ文庫)

アーサー・C・クラーク著 山高昭訳
月への旅の準備が着々と進む。現代の"ギボン"たる主人公は、それを歴史として後世に残すため、取材を行う。

 その時何が起こっていたか。ドラマチックな展開などはまったくない。淡々と起こる事や人間模様を描いているといった感じ。私はこういうの好きだけど。解説の人が述べてみえるように「幼年期の終わり」みたいなクラーク作品を求める人は読まない方がいいと思う。あー、この作品、特別な悪人はいなかったな。ちょっといってる人が一人いたけど。
 現実に月への旅は行われているのだけれど、だからこの作品が古くさいかといえば、そうではないと思う。宇宙への憧れ、初めての一歩、群がる人々、興味はそこにあるから。実際はもっと凄まじいのだろうな。一つのパラレルワールドとして楽しんでみるといいかも。