2010年2月16日火曜日

完訳 グリム童話集1 (岩波文庫)

金田鬼一訳
第1巻には44話、「ラプンツェル」「灰かぶり」「ヘンゼルとグレーテル」など有名な話も収められている。

 全世代に向けなので、ひらがなが多く使われている。挿絵が全くないのが少々寂しい気がした。内容は滑稽な話から残酷な話まで多彩。何というか、平気で目を潰すし、自分の脚の指を切って鍵にしたり、妃になるために脚削りますか…想像してはいけない。キリスト教の色合いが濃い話に出てくる神様、マリア様も中々酷いことをなさる。愛ではなく恐怖で支配。多分キリスト教以前から伝わっていた話にキリスト教で脚色したものがあり、また神様の言う事聞かないと罰が下るぞ、と生活の中で押さえつけられていた事もあるのだろう。これはキリスト教に限った事ではないが。角川文庫版も持っていますので、いずれ読み比べてみたい。