2010年2月15日月曜日

SF雑誌の歴史 パルプ雑誌の饗宴 (東京創元社 KEY LIBRARY)

マイク・アシュリー著 牧眞司訳
 SF雑誌の編集者、著者、作品、雑誌の歴史について。1900〜1950年代までが述べられており、アシモフ、ハインラインなど有名人も登場している。本の表紙も多く挿入されている。

 時代は変われど出版業界は変わらない…読者も変わってない。成功した雑誌があれば二匹目のドジョウ狙い、乱発、質の低下。読者もそれに引きずられていく。もちろん私もそうした読者の一人である事は自覚している。
  あまりSFの事は知らないのだが、とても楽しく読めた。で、どうなったの? と引っ張ってくれる。雑誌の運命が中心だが、編集者にも重きが置かれている。
面白いと思ったのは、「シェイバー・ミステリー」。なんというムー…。こんな事があったんだ。細木和子氏、宜保愛子氏、インドで手から粉出していた人とかを、もっとカルトにしてしまった感じ、いや血液占いを過激にした状況かな。こういうのはお遊びとしては楽しいのだが。
  あとガーンズバック氏、著者は持ち上げているけど、金の亡者のように受け取れる。功績は理解できるし凄い人なのだが、ちょっと金に汚すぎる印象を受けた。
 で、P82の「ぺちゃんこの胸をした、乗馬姿の女性にうんざり」、P171「さまざまなきわどいポーズのヌードだ〜略〜蒐集価値を持つ大きな理由の一つもこの表紙にある」ワロタ…アメリカ人って…。結局そこですか!?
 第二巻の著者の原稿はきているんですよね? 訳者の方、東京創元社の中の人、どうか宜しくお願いします。絶対買いますから。