フローベール著 小倉孝誠訳
辞典の体裁をした著者の皮肉集。
解説には、この作品は元々「ブヴァールとペキュシェ」のという作品の一要素だったと述べられている。作品は未完で、「紋切型辞典」が独立して刊行された…でいいのかな。
書かれた時代の知識がないので読んでいて戸惑った。訳者が注釈を入れてみえるのだが、それでも厳しい。受け取り方も難しい。本に書かれている内容が紋切型という事だが、フムフムと頷いている自分がいる。つまり私は紋切型ということ…。例えば「詩 全く無用のもの」と述べられている。私は迷わず、まあ無用と言えば無用かな、と考えるがこれが紋切型の思考。ではどう考えるんだろう? と頭がグルグルしてしまうのだ。詩は有用でもいいんだけど。でもそれなりに楽しめる。