アイザック・アシモフ著 冬川亘訳
アシモフの初期の短篇を収録。作品ごとにアシモフの解説が付いている。
さすがに初期作品だけあって、私程度のレベルの人間でも "ちょっと…" と思うところは多い。火星、金星に知的生物がいて環境が地球並みというのは時代背景もあるので置いといて、設定が甘いというか、人間性を甘くみている。アシモフ本人もそれは述べてみえる。「恐ろしすぎて使えない武器」どう考えても金星人がその武器を破棄したら人間は総攻撃するよね、人間だもの。「焔の修道士」等もうーんだけど、でもこれらの作品がアシモフの基礎となっていると考えるととても興味深い。「時の流れ」はこの作品に書かれているそのままの事は起きなくても、よく似た事がこの先あるのではないかという不安をかき立てる。マスメディアのコントロール程怖いものはない。で、正直なところ、アシモフの解説のほうが面白いので困る。
私は古いSFの荒唐無稽が好きなので、現在ではびっくり設定でも問題ないのだけど、そういうのが許せない人はやめておいたほうがいいかも。