2010年5月3日月曜日

時の娘 (ハヤカワ文庫)

ジョセフィン・ティ著 小泉喜美子訳
ベット探偵がリチャード三世の真実を探る。

「歴史は勝者によって作られる」「トニィパンディ」私は歴史学者でもないし、詳しい歴史の事実は分からないけど、これもありえるよね、とは思った。遥か昔〜現代、今この時にも日本で世界で歴史は操作されているのかもしれない。メディアの発達は真実を知る機会よりも歪める機会を与えた。そして人は一度信じた事を否定されるのを嫌う。p181のローラの手紙が響いた。
 物語としては歴史を追っていくだけで、設定された舞台上で殺人が起こるわけでも事件が起こるわけでもない。唯一の事件は、主人公がマンホールに落ちた事だけ。なのに読むのがやめられないのだ。トマス・モア、ボロクソにされてるので、信者は読まない方がいいかも(笑)。
 p19に「積んどく」という表現がでている。この本は1977年改版発行なのだが、「積ん読」も30年以上の歴史を持つのか…。