2010年5月27日木曜日

アンデルセン童話集6,7 (岩波文庫)

大畑末吉訳
「子供部屋で」「茶びん」など可愛いお話も多い巻。7巻最後にアンデルセンの解説がある。

 最後2巻まとめて。批判的な感想が続いたけど、あくまで個人の好き嫌いの範疇としてみてもらえるように。文学作品としては価値があるのは分かっているけれど、どうにも抹香臭さに抵抗があってダメだ。キリスト教徒的にはOKなんだろうけど。好きなお話もある。「銀貨」とか「ノミと教授」など、ちょっと滑稽なものが好み。
 時代の違いを考えなくてはならないのは承知の上で、ギリシア神話の神様はやたら人間臭くて我がまま、残酷だけれど、アンデルセンの描くキリスト教の神様は別の意味で残酷だ。ものすごく抵抗を感じた。
 面白いと思ったのは「緒言と解説」p306で アンデルセンが「初期のものは意義があるが、のちのものはそれにおとる、という人がままある。これはもちろん事実ではない」と述べている。続けて弁明を述べているのだけど、今の時代もよくある "読者が悪い" ときた。今も昔もだな。もちろん実際はどうなのかは私には判断がつかないけど、ちょっと笑えた。