2010年5月5日水曜日

御取越

 私の住んでいる地域は、基本は浄土真宗なのだが (神道、観音教、御岳信仰、その他いろいろやってる) 、この間親戚の家で「御取越」があった。年寄り曰く「ご先祖さんのお祭りで本当は毎月やるもの。やらないけど」とか。ググル先生で出てくるのとはちょっと違う。地域による違いか、長い間に認識が変化したのかわからない。私は恥ずかしながらこの歳まで法事と御取越の違いを知らなかった。でも私よりお年上の方々も知らなかった。70歳代以上はさすがに知っていた。風習が残っている田舎でさえこんなものだ。
 今回は法事と兼ねて執り行われた。二時から御経め、その後親戚が残って食事。この親戚が問題。親戚のイメージは血縁関係が遠くても分かっている程度だと思われるだろうが、わからないんだ、困った事に。「この家とはどういう血縁?」と聞いても「わからん」年寄りですら分からない血縁関係の親戚たちがいっぱい。血縁関係がない親戚もある。昔は田舎に別の地域から事情があって引っ越してきた場合「子どもの歳が近いから親戚付き合いしましょう」という形で地域に入り込む手段としていた。今はないよ、私の住んでいるところでは。別に血縁云々はいいんだけど、出しゃばり方はものすごい、うんざりするほど。
 で、親戚と称する家のご婦人方は、食事用の料理の手伝いに行かなくてはいけない。だいたい家ごとに一人。ところがだ、今回も私の家は本来なら母一人行けば良かったはずなのに、御取越をする親戚の家の (くそ)ジジババが御取越の二ヶ月以上前から事ある毎に、私に御取越に来てくれ、来てくれと連呼。食事だけ食べにいくのは流石に礼儀知らずすぎるので (私の地域では後で間違いなく悪口を言われる)、私までお手伝いに行かなければならなくなった。今から考えると、多分他の親戚にも連呼していたのだろうし他の親戚は華麗にスルーしていたのだから家もそうすればよかったのだが、なんせ家の爺婆は見栄っ張りだから…。
 その手伝いの人数の多い事!その御取越をする親戚の家の孫嫁陣が4人ぐらいいたかな、それプラス10人だぜ?人数はお手伝いの人含めて30人…35人くらいかな。料理は基本が料理屋のパック。それプラスサラダやら天ぷら類、漬け物などもろもろ。バッカみたい、パック料理は40cm×30cm弱くらいの大きさ、かなり量が多い上にプラス料理だぜ?パック料理だって元は料理するのが大変で手間がかかるから、という事で取り入れられたのに、田舎の見栄っ張りが結局他にも作らなくちゃ恥ずかしいという感じで、元の木阿弥状態。とにかくお手伝い大杉。天ぷらあげるのに6人掛かり(笑)。いくら田舎で大きな家といっても一般家庭の台所に14,5人がうじゃうじゃ、互いに邪魔だわ、危ないわで、うんざり。13時から19時までたいしてやる事もないのに拘束されました。時給頂きたい気分です。
 御取越など行事を大切にするのは良い事だと思う。ただ余りにも色々な意味で無駄過ぎ。人的にも料理的にも、坊さんの料金的にも。(浄土真宗は葬式仏教が特に酷いのでは? うんざりしてる ) 料理もパック料理おいしくない、コンビニ弁当のほうがずっとおいしいレベルで、作った料理も余りまくり、ご飯一升分残ってた。赤飯もチラシ寿司も。合理的なのが素晴らしいとは言わないけど、もうちょっと何とかするべきだと思う。もしかしたら昔よりも酷くなっているんじゃないかな。あー、でも最近は御取越も法事も行われる事自体が少なくはなってきているけど。昔は法事も御取越も近所付き合いの一つとして意味があったと思う。御馳走だったし、酒を飲んでゆっくり膝を突き合わせ、ご婦人方も取り留めなく噂の花を咲かせて。今はね…。私も私の代になったらやらない。宗教嫌いだし、必要なのは命日にきちんとお墓で手を合わせる事だと思うから。