アミン・マアルーフ著 牟田口義郎・新川雅子訳
イスラム教徒から見た十字軍を描く。
ちょ…序盤ずっとフランク(十字軍)のターン状態。虐殺虐殺、異教徒皆殺しだぜ!ムスリムというと、よくも悪くも信仰のために突撃!のイメージがあったから、弱腰ぶりにはびっくりだ。読んでいて「何やってるんだ」ととにかくイライラした。内部での足の引っ張り合いが酷い。これではエルサレムをとられても仕方ない。でも、ちゃんと英雄が出てくるんだね。それだけ酷い時代だったという事だけど。暗殺教団とか小説に出てきそうな狂信集団まで登場して、まさしく事実は小説より奇なり。キリスト教もイスラム教も宗派が違えば異教徒扱いなんだ。キリスト教はギリシア正教がカトリックから酷い目に合わされてる。
現在のギリシア人はソクラテスとかの時代とは人種が違うと聞いた事があるけど、この辺りで人種の入れ替えがあったんだ。十字軍は歴史の大きな転換点だったということか。西洋は中東の進んだ文化と取り込んで進化を果たして現在に至る。中東は…現在はどうなってるの?キリスト教側からの十字軍の歴史と読み比べてみるのが面白いかもしれない。