柴田宵曲著
明治の話題を文人、政治家、日常生活から綴った随筆集。
明治という時代を大仰に述べるのではなく、日常から見つめている。私個人としては、政治家云々の話より風物や風俗の話題に興味がそそられた。のんびりと構えずに読めるところがいい。今はもう見られなくなった風俗もあり、今でもありそうな「きんとん」の話、金を得て存分に食べようとしたら、もう沢山になってしまったという。私はケーキでやった。
明治は遠くなりにけり、年号だと3つ前。こういう書物で思いを馳せるのも一興だと思う。そういえば泉鏡花の現代語訳がでているようで、びっくりした。