2010年4月30日金曜日

医学の歴史 (講談社学術文庫)

梶田昭著
太古から20世紀に至る医学の歴史を綴る。

 現在の医学がどのような歴史の積み重ねを経てきたか、この歴史があるからこそ昔は死病といわれた病気も治癒するようになった。読んでいると、何でこんな判断するんだとか、腹の立つところもあるけど。例えばゼンメルワイスを追放したこと、消毒だけでどれだけの女性が助かったのだろう…。あと脚気や壊血病…アシモフの本では、食料の供給の問題も述べられていたか。 p325に「摂取した食餌を消化・代謝するために必要な労働を計算する時代になった」なんという皮肉…。これは私は笑えないわ。
 一番印象にに残ったのは本文ではなくて解説だった。著者は胸部大動脈瘤を発症していたが、特に対処しなかったとか。76歳か…。あとp352の「臨死体験のある僕には死後の世界というものはなく、それはしょせん、生きている者の想像の世界である」臨死体験者は神秘主義に走るのかと思っていたので意外だった。私は臨死体験とかないけど、解説の人と同じ意見。
 素人でも何とか理解できるので、興味のある人は読んでみるのもいいと思う。