2010年8月26日木曜日

カルメン (岩波文庫)

メリメ著 杉捷夫訳
歌劇で有名なカルメンの原作。

 自由奔放な悪魔カルメンを愛したために運命を狂わせるホセ。私は人形劇で観た事があるだけで、本格的な歌劇は観た事はない。ホセがたまたま知り合った学者に、カルメンとの出会いからを物語るという形になっていたとは知らなかった。カルメンはどうしようもない悪女なんだけど見事すぎて、ホセが情けなさ過ぎて…。でも人間が堕ちていく時というのは、こういう風に少しずつズブズブと自分でコントロールできないままいってしまうんだろう。意外と淡々とした哀しい物語だった。