2010年3月2日火曜日

ムガル帝国誌 1,2 (岩波文庫)

ベルニエ著 関美奈子訳
17世紀の哲学者(文学者)が体験したインド滞在記。

 前半の帝位争いの模様は面白い。王様が変わるたびに戦争ということは、30年〜40年くらいに一回? 長男相続は問題点は多かったのだろうけど、王様が変わるたび戦争かよ、と考えるとそれなりの制度だったのかも。王女様が結婚しずらかったというのも意外。ヨーロッパの歴史の中だと、王女さまは政略結婚のコマというイメージがあったから。王女の亭主でも王様になれたのかな。だとしたら理解できるけど。修道院に入った方も多かったのかな? 政治活動に走る気持ちも理解できる。
 中盤の哲学は退屈。私が興味がないことと、白人特有の上から目線が鼻につきすぎる。後半のカシミール行幸は面白い。旅の困難、知恵が興味深い。けど住民丸ごと移動って、このうえない迷惑のような気がする。一種の遷都だから仕方ないのだけど。